今から約10年前に、私はある〇〇病院で、西洋医学では対処しきれない「不定愁訴」の塊のような患者さんたちを診るための「〇〇外来」の立ち上げに携わったことがあります。
本音を言えば、〇〇病院では、「不定愁訴」の患者さんは、誰も診たくないのです。診察に時間がかかる上、何をしてもよくならないことが多いからなんです。
当時の私は、西洋医学の知識に加え、ユング心理学の知識はありましたが、前記の患者さんたちに、相当手を焼いていたにも関わらず、うまく対処することができなかったのです。その状態を打開するために、婦人科の先生(私にとってかけがえのない恩師に出会えたのは、本当に幸運です)に師事し、「漢方」を学び始めました。
その頃から、西洋医学の限界に気づいていたが、当時の私には、西洋医学のどこに問題があって、患者さんは複雑な病態を持っているにもかかわらず、それを検出することも対処することもできないかを、わかっていなかったのです。
今にして思えば、西洋医学の限界を、東洋医学の力(「漢方」)で何とか補おうと努力をしましたが、当時の私は、「漢方」の知識が少なく、かつ経験も浅かったので、そのような複雑な病態を持った患者さんに、対応することができなかったのです。
|